メタボリックシンドロームの4つの危険因子(肥満、高血圧、高血糖、脂質異常)に共通しているのは、食べすぎや飲みすぎによるカロリー過多と、運動不足が主な原因となって発症することです。
特に、生活に直結している食事は、肥満(内臓脂肪型肥満)の改善を目標とし、メニューや方法を見直す必要があるでしょう。
自分では普通に食べているつもりでも、30歳を超える頃から日常の消費エネルギーが減ってくるため、知らな いうちに食べすぎの状態になりがちとなります。
また、現代の食事メニューには、肉類や揚げ物など高カロリーのものが多いため、カロリーのとりすぎにもなり がちです。さらに運動をあまりしないと、食事から得た余分なエネルギーが内臓脂肪として蓄積されやすくなります。
こうした状態を改善するには、まず「腹八分目」を心がけること。早食いをやめ、ひと口ごとに箸を置く、食事の途中で休憩する、カボチャやキノコ類など腹持 ちのする野菜などを多くとる…といった工夫をしてみましょう。
また、肉類や揚げ物を食べる回数を少し減らし、メニューの基本を和食にして、全体のカロリー を低めにしましょう。
野菜に多くふくまれているビタミンやカロチノイド(ポリフェノールの一種)などには、油脂成分の酸化を防ぐ作用が期待でき、動脈硬化を抑える働きがあるとされています。
特に緑黄色野菜には、抗酸化作用をもつ成分が多いので、カボチャ、トマト、ピーマン、ニンジン、チンゲン菜、ブロッコリーなどを積極的に食べるようにしましょう。
上記のことを基本としながら、メタボリックシンドロームの場合、自分がどの病気になっているかによって、食事のメニューなどを重点的に工夫する必要があります。
1. 血圧が高めなら、原因となりやすい塩分をひかえめにし、野菜類を多くとるようにする。
2. 血糖値が高めなら、全体のカロリーを抑え、また間食をひかえる。
3. 中性脂肪値が高めなら、慢性的な食べすぎに気をつける。
4. コレステロール値が高めなら、コレステロールの多い食品(鶏卵、魚卵、ウナギなど)を食べすぎ ないようにする。
こうした工夫は、年齢や性別などによっても少しずつ違ってきます。
例えば、カロリーの場合は、通常、1日のカロリー摂取量は成人男性(生活活動強度適正/30〜49歳)で2550kcal、女性(同)で2000kcal といわれています。しかし、現在すでに肥満気味の人は目標として、男性は2000kcal、女性は1800kcalを目標にされてもよいと思われます。
メタボリックシンドローム、あるいはその予備軍と診断された場合は、医師から注意すべきことの指導を受け、とくに食事の内容なども相談しておくことが大切です。
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